Lectures & Seminars

講義内容と関連した著書

『イメージの自然史――天使から貝殻まで』(羽鳥書店、2010年)
『政治の美学――権力と表象』(東京大学出版会、2008年)
『都市の詩学――場所の記憶と徴候』(東京大学出版会、2007年)
『死者たちの都市へ』(青土社、2004年)
『都市表象分析I』(INAX出版、2000年)
『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社、2001年)
『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』(彰国社、2000年)


Lecture
最新情報は表象文化論研究室のサイトの「授業紹介」に掲載

近代デザイン史研究

(2007年度冬学期・後期課程:表象文化史)

近代デザイン史の基礎知識を修得したうえで、現代における「デザインへの欲望」について考察する。グラフィック、エディトリアル、ファッション、クラフト、プロダクトの各デザイン、および建築などについて、何が「良い」デザインなのか、そのデザインが喚起する欲望(購買欲、所有欲)とは何なのかといった問題を、具体的な対象に即し、表象文化論的に分析することを試みる。

写真と都市の「ゲニウス・ロキ(地霊)」

(2006年度冬学期・後期課程:造形空間芸術論)

写真を通した都市の「ゲニウス・ロキ(地霊)」の発見を主題として、都市写真の考察とともに、東京のフィールドワークをおこなう。

写真による都市表象分析――境界のイメージ論

(2006年度夏学期・総合科目)

写真というメディアと都市は密接な関係をもっている。都市表象分析は、都市写真を単に社会的、文化的な現実の再現として分析対象にするのではなく、写真という表象形式固有の問題をも含み込んだ、都市イメージの生産および受容プロセスの解明を目的としている。この授業では、そうした観点から見て重要な写真表現を紹介しつつ、写真撮影の行為を通した、都市への参与的観察の方法を解説してゆく。そのうえで、受講者とともに、「境界のイメージ」を手がかりとして、東京のフィールドワークを実践したい。

1900年前後ウィーンの表象文化史――「装飾」の問題

(2005年度冬学期・後期課程:表象文化史演習)

1900年前後のウィーンは、20世紀以降の文化・芸術・思想に多大な影響を残すことになったさまざまな動向が集中的に生じた時代環境である。本演習では、すでに研究の蓄積があるこの主題について、前半は古典的な研究書に基づく基礎的な知識の涵養を集中的にはかり、後半は近年の研究を参照しつつ、「表象文化史」としてのあらたなアプローチを試みる。鍵概念となるのは「装飾」である。

イメージ分析入門

(2005年度夏学期・総合科目)

現代はさまざまなメディアが送り届ける「イメージ」に満ちあふれているといわれる。この「イメージ」とは何だろうか? イメージの学問的な分析とはどのような営みであり、それによって何が解明されようとするのか? この授業ではさまざまな具体的イメージ現象を対象とし、その分析の手続きを検討してゆく。テーマとして予定しているものは次の通り:美術(イコノロジー)、夢解釈(精神分析)、写真と過去のイメージ、イメージの政治的機能、宗教におけるイメージ(偶像・物神崇拝)、歴史のイメージ(ホロコーストの表象可能性)、自然科学とイメージ分析など。ジャンルを越境し、テーマをあえて拡散させることにより、一学期間でイメージ分析をめぐる基礎的教養の修得を目指す。

「ゲニウス・ロキ(地霊)」の考察

(2004年度冬学期・後期課程:造形空間芸術論)

「ゲニウス・ロキ(地霊)」は、建築論、都市論の方法におけるひとつの鍵概念とされているが、いまだその内実は曖昧である。この授業では、鈴木博之による一連の「地霊」論やクリスチャン・ノルベルグ=シュルツの古典的ゲニウス・ロキ論を手がかりとして、「ゲニウス・ロキ(地霊)」概念にまつわる言説を分析し、この概念の再検討をおこなう。そのプロセスには、鈴木をはじめとする東京論の分析を実地に検証する、東京およびその周辺におけるフィールドワークも含まれる。最終的には、みずからあらたな「地霊」を発見することが目標である。

都市表象分析

(2004年度夏学期・総合科目)

近代以降の知にとって「都市」は、社会を分析し、その構造を探究するための重要な対象であった。歴史学的な都市史研究にはじまり、都市工学や建築学的な都市分析、あるいは都市社会学など、都市に対するアプローチは多様である。
都市表象分析とは、こうしたさまざまなディシプリンの成果を活用しつつ、表象文化論の観点から「都市」の諸様相を歴史的に吟味しようとする試みである。それが範例としているのは、例えばヴァルター・ベンヤミンの『パサージュ論』をはじめとする都市論であり、レム・コールハースの『錯乱のニューヨーク』のような都市の「伝記」である。
この授業では、こうした方法論的な伝統を整理したうえで、都市に関わる諸現象への都市表象分析的なアプローチの方法を具体例に即して講義する。履修者には文献(おもに日本語)の予習・復習と議論への参加が強く求められる。

「メモリアル」の諸問題

(2003年度冬学期・後期課程:造形空間芸術論)

記念碑、慰霊碑、追悼施設など、公的な「メモリアル」の造形とその社会的背景について考察する。
ベルリンのホロコースト・メモリアル、ニューヨークの世界貿易センター跡地計画、日本の「追悼・平和祈念のための記念碑等施設」を主たる対象とし、計画策定プロセスほかの経緯と(前二者については)メモリアル(的建造物)の具体的なデザインについて詳しい検討をおこない、相互比較を試みる。
ベルリン・ユダヤ博物館や各地のホロコースト慰霊碑との比較、アメリカにおける記念碑の系譜の調査、靖国神社など既存の施設との関係といった、それぞれが位置する文化的コンテクストの分析も必要となろう。

美術史の言説分析

(2002年度冬学期・後期課程:表象文化論基礎論)

ヨーロッパにおいて「美術史」という学問がかたちづくられる過程のなかから、その起源や転回点となるテクストおよび理論をとりあげ、それぞれの歴史的なコンテクストを分析する。
美術史が対象とする美術作品なるものは、近代ヨーロッパで、ある欲望のもとに発見(発明)された存在である。
われわれがおこなおうとする美術史の言説分析は、この欲望の様態を明らかにするとともに、それが生み出されるにいたった諸条件を探るものである。
そして、このような作業を通じ、いわばメタ美術史としての「イメージ分析」を基礎づけることが、最終的な目標として設定されている。

イメージ分析入門

(2002年度冬学期・総合科目)

現代はさまざまなメディアが送り届ける「イメージ」に満ちあふれているといわれる。
この「イメージ」とは何だろうか? イメージの学問的な分析とはどのような営みであり、それによって何が解明されようとするのか?
この授業ではさまざまな具体的イメージ現象を対象とし、その分析の手続きを検討してゆく。
テーマとして予定しているものは次の通り:美術(イコノロジー)、写真と過去のイメージ、映画(運動・時間・イメージ)、表象としての建築、都市のイメージ、夢解釈(精神分析)、宗教におけるイメージ(偶像・物神崇拝)、生命形態学(三木成夫)、文字、マス(群れ)としてのイメージ、歴史のイメージ(ホロコーストの表象可能性)、イメージの政治的機能など。
ジャンルを越境し、テーマをあえて拡散させることにより、一学期間でイメージ分析をめぐる基礎的教養の修得を目指す。
そのため履修者には文献(おもに日本語)の予習と議論への参加が強く求められる。

イメージ分析学の誕生 ─ アビ・ヴァールブルクをめぐって

(2001年度夏学期・総合科目)

美術史におけるイメージ分析の重要な方法のひとつとして、アビ・ヴァールブルクが創始し、E・パノフスキーやE・H・ゴンブリッチが発展させたイコノロジー(図像解釈学)がある。
本講義はイコノロジーというイメージ分析学誕生の過程をヴァールブルクの人生とともにたどることにより、そのあらたな可能性の中心を探るものである。
話題はイタリア・ルネサンス美術から宗教改革時代の占星術、呪物崇拝、アメリカ・インディアンの蛇儀礼、反ユダヤ主義などにわたり、人類学や精神分析に及ぶものとなろう。

空間芸術論 ─ 〈建築〉・〈空間〉・〈芸術〉

(1998年度夏学期・総合科目)

1995年度夏学期に開講した講義の新ヴァージョン。建築を手がかりとしながら、〈空間芸術〉というジャンルの固有性について考察する。
近代ヨーロッパにおいて〈空間〉が芸術の主題となる経緯を確認し、近代建築と平行して形成された空間論を概観したうえで、
空間芸術としての建築の終わりを志向する試みや電脳空間(サイバースペース)への建築の拡散などを扱う。

美術論 ─ 絵画・写真・イメージ

(1997年度夏学期・総合科目)

19世紀以降の写真と絵画・美術との関係をたどり、近代におけるイメージの様相について考察する。
写真という新たなメディアによってもたらされた記号の特質を分析しつつ、美術との相互作用(反発・吸収)、写真を用いた現代のアートの状況などにも触れる。

テーマ講義

ベルリン  ─  境界線上の都市

(1996年度冬学期・10月31日)

空間芸術論 ─ 建築・都市の〈考現学〉

(1996年度夏学期・総合科目)

普段、意識せずに経験している見慣れた建築や都市空間を〈記述〉する行為について反省する。
建築物を注視すること、それを記述する方法、あるいは都市をイメージとして描き出すこと(表象すること)の方法にはどのような可能性があるだろうか。
果たして注視によって見える対象だけが建築経験のすべてを支配しているだろうか。
〈見えない都市〉こそが現代都市の真実ではないのか。
とするならば、そのような建築空間や都市の〈核〉をなす経験をどのようにすれば記述できるだろうか。

モダニズム建築のニヒリズムとデカダンス

(1995年度冬学期・教養学科)

ミース・ファン・デル・ローエをはじめとする鍵となる〈建築家〉を何人かとりあげ、集中的に考察することにより、建築におけるモダニズムの構造を解析する。
〈ニヒリズム〉と〈デカダンス〉はその構造の特性であり、否定的価値判断ではない。
いわゆる建築史の講義ではなく、19世紀末から20世紀にかけてのドイツ語圏を中心とする、建築・都市をめぐる言説分析が主題となる。


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