初回講義・導入レジュメ


8日に配布したレジュメです。

イメージ分析入門
I. 趣旨
現代はさまざまなメディアが送り届ける「イメージ」に満ちあふれているといわれる。この「イメージ」とは何だろうか? イメージの学問的な分析とはどのような営みであり、それによって何が解明されようとするのか? この授業ではさまざまな具体的イメージ現象を対象とし、その分析の手続きを検討してゆく。テーマとして予定しているものは次の通り:美術(イコノロジー)、夢解釈(精神分析)、写真と過去のイメージ、イメージの政治的機能、宗教におけるイメージ(偶像・物神崇拝)、歴史のイメージ(ホロコーストの表象可能性)、自然科学とイメージ分析など。ジャンルを越境し、テーマをあえて拡散させることにより、一学期間でイメージ分析をめぐる基礎的教養の修得を目指す。
II. 授業の方法
講義(6070分程度)が主体だが、履修者には文献(おもに日本語)の予習が強く求められる。授業においては、関連文献の予習を前提として、講義ののち、場合によってはコメンテイターに問題提起を要求する。
III. 評価方法
履修と単位取得のためには、次のすべてを必須とする。単位取得を伴わない聴講は認めない。
1. レポート1(2000字):締め切りは5月13日。全体評価の約10%。
2. 中間試験:624日に実施。60分の筆記試験。それまでの授業内容に関するもの。例題をあらかじめ提示する。全体評価の約25%。
3. レポート2(4000字):第一段階締め切り:7月1日18時(厳守)ここで受け付けたものについて、7月15日にいったん返却。適宜修正(増補も可)を加える。最終締め切り:7月22日17時(厳守)。全体評価の約20%。
4. 期末試験:試験期間中に実施。90分の筆記試験。授業内容全体にわたり、例題をあらかじめ提示する。全体評価の約30%。
5. 出席点:言うまでもないが、規則的な出席と予習が強く要求される。毎回必ず出席を記録する。全体評価の約15%。
IV. 文献の配付方法:
1. PDF書類による入手
下記のサイトで随時公開するPDF書類を各自が参照し、適宜ダウンロードして印刷する。なお、このサイトには授業に関する情報を書き込むので、定期的にチェックすること。
なお、このページはあくまでも授業履修者のためだけに設けられたページであり、PDF書類も履修者の利用のみを前提としているため、部外者に存在を教えることはくれぐれも慎むこと。
同じ理由からPDF書類はセキュリティ保護されている。パスワードは授業中に通知する。
PDF書類は文献のコピー(画像データ)だが、コメントや註のほか、図版へのWWWリンクが書き込まれている(一部リンク切れがあるが、近々修正する)。したがって、文献をすでにもっている者もPDF書類を一読しておくことが望ましい。
参考書については、書誌情報の一覧を上記のサイトに随時あげてゆく。
2. マスターコピーからのコピー
18号館3階表象文化論研究室にマスターコピーを5部程度預けておくので、それを用いて各自がコピーする。マスターコピーは必ず返却すること。研究室が開いているのは平日10時30分〜17時(ただし、常にひとがいるわけではない)。
V. 連絡先
連絡手段は原則としてe-mailのみ。
xxxxxxxxxxxxxxx (アドレスは公開しない。講義後に尋ねること。)
研究室は18号館XXXX室。ただし、毎日在室しているわけではない。また、面談を希望する場合には、必ずe-mailで事前に連絡をとること。
VI. イメージ分析入門:講義日程
4月8日
導入
4月15日
イメージ分析の技法1:美術史(イコノロジー)1
ヴィーナスを読む1:テクストとイメージ
若桑みどり『絵画を読む:イコノロジー入門』(日本放送出版協会)p.54-67
パノフスキーによるイコノロジーの定義:「イコノグラフィーとイコノロジー」、アーウィン・パノフスキー『視覚芸術の意味』(中森義宗ほか訳、岩崎美術社)p.37-53
参考:ダニエル・アラス「カッソーネのなかの女」、『なにも見ていない:名画をめぐる六つの冒険』(宮下志朗訳、白水社)p.123-173
参考:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『フラ・アンジェリコ 神秘神学と絵画表現』(寺田光徳・平岡洋子訳、平凡社)p.25-36
4月22日:休講
5月6日
イメージ分析の技法2:夢解釈
通俗的夢解釈と精神分析的解釈との差異
ジークムント・フロイト『夢解釈』
イルマの注射の夢、『フロイト著作集2 夢判断』(高橋義孝訳、人文書院)p.83-104
夢の仕事、『フロイト著作集2 夢判断』(高橋義孝訳、人文書院)p.231-258(抜粋)
ジャック・ラカン「イルマの注射の夢」、『フロイト理論と精神分析技法における自我 上』(小出浩之ほか訳、岩波書店)p.245-284
5月13日:レポート1提出期限日
イメージ分析の技法1(続):美術史(イコノロジー)2
ヴィーナスを読む2:「ヴィーナスを開く」
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『ヴィーナスを開く』(宮下志朗・森元庸介訳、白水社)p.8-26; 75-100+原註
5月20日:休講
5月27日:5月祭により、午後休講
6月3日
イメージ分析の技法3:写真の記号論1
写真の特性
ヴァルター・ベンヤミン「写真小史」、『図説 写真小史』(久保哲司編訳、ちくま学芸文庫)p.8-65
ヴァルター・ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」、『ベンヤミン・コレクション1 近代の意味』(浅井健二郎編訳、ちくま学芸文庫)p.599-600
ロラン・バルト『明るい部屋』(花輪光訳、みすず書房)抜粋
6月10日
イメージ分析の技法3(続):写真の記号論2
インデックス的痕跡の解読
『パース著作集2 記号学』(内田種臣編訳、勁草書房)抜粋
ロザリンド・クラウス「シュルレアリスムの写真的条件」抜粋、「指標論 パート1」抜粋、「指標論 パート2」、『オリジナリティと反復』(小西信之訳、リブロポート)
6月17日
イメージ分析の技法4:イメージと社会1
イメージの力
ジョン・バージャー「所有するタブロー」、『イメージ——Ways of Seeing:視覚とメディア』(伊藤俊治訳、PARCO出版)p.102-142
若桑みどり『イメージの歴史』(放送大学教材、放送大学教育振興会)p.301-322(公共彫刻の問題)
6月24日:中間試験(60分)
7月1日:レポート2・第一次提出期限
イメージ分析の技法4(続):イメージと社会2
宗教とイメージ
カルロ・ギンズブルグ「表象」、『ピノッキオの眼』(竹山博英訳、せりか書房)p.124-152
7月8
歴史のイメージ分析1:民主主義の身体
ミシェル・フーコー『言葉ともの』序章
ミース・ファン・デル・ローエ
7月15日(午前中に補講・時限は未定)
歴史のイメージ分析2:ホロコーストの表象可能性
『ショアー』
ユダヤ博物館
収容所写真展
ジャック・ヴァルテル「証言としての写真」(中村隆之訳)、「現代思想」2002年7月号p.242-253
7月15日(5限):レポート2・第一次段階返却→最終締め切り:7月22日17時
自然科学とイメージ分析:「神経系美学」の話題など
テクスト未定
VII. 課題
レポート1
次の展覧会のいずれかに出展されている絵画作品からひとつを選び、主題とその描写方法に注意して、作品の詳細な記述をおこないなさい。その際、パノフスキーによる「視覚芸術の意味の三層構造」の考え方が適用可能かどうかを検討すること。展覧会会場の解説やカタログなどは参照してもよいが、あらたに文献を調べる必要はなく、自分の現在の知識や経験から、その作品が「どう見えるか、何に見えるか、なぜそう見えるのか(あるいは、なぜこうは見えないのか)」を記述すればよい。
「世界遺産・博物館島 ベルリンの至宝展−よみがえる美の聖域−」
4月5日(火)〜6月12日(日)
東京都台東区上野公園13-9
電話:03-3822-1111
「ゴッホ展」
3月23日(水)〜5月22日(日)
東京国立近代美術館:http://www.momat.go.jp/Honkan/Gogh/
東京都千代田区北の丸公園3-1
電話: 03-5777-8600
「ジョルジョ・ド・ラ・トゥール展」
3月8日(火)〜5月29日(日)
国立西洋美術館:http://www.nmwa.go.jp/index-j.html
東京都台東区上野公園7-7
電話:03-3828-5131(代表)
「ベルギー象徴派展」
4月15日(金)〜6月12日(日)
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
電話:03-3477-9252
文字数:2000字程度。必ずプリントアウトしたものを18号館3階の表象文化論研究室に提出する(メールによる提出は受けつけない)。授業の際に直接手渡してもよい。
締め切り:5月13日(金)18時(厳守)

Posted: 火 - 4月 12, 2005 at 06:45 午後        


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