イメージの自然史 - Blog (Before- & Afterimages)

イメージの自然史

天使から貝殻まで。
初校のゲラを読んでいる。
図版写真について、物故した人物でも肖像の権利が関わってくるとややこしいらしい。
この種の権利主張の大元の原 理は納得するけれど、著作権にせよ、学術書のなかで小さく掲げる程度の使用についてまで強い要求をされるとしたら、どうにも窮屈だ。コピペで書かれた奇想 天外な論文の数々に遭遇したあとだけに、オリジナルな表現を尊重することの価値は言うまでもないと思うのだが。
オリジナルなものの権利を認めなければならないという原則と、複製の変形や編集、集合的なアレンジにおいて生み出されるものを追求することとのジレンマ。それらはオリジナルの面影を残しながらも、すでに異なる何かに変貌したイメージだから。
書物における図版の「例示」の機能についても考えさせられる。
連辞と範列の両側面において。

権利関係が消滅した時空、この文明が死滅したあとで書かれている書物を思い浮かべる。
そして気付けば、すでにいつも、書物のための言葉はそんなふうにして綴りたいと思っているのだった。

目覚めれば白雪。ひとひら、ひとひら、落ちながら跳ねるように舞う。

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田中 純
東京大学大学院総合文化研究科・教授
TANAKA Jun, Ph.D.
Professor
The University of Tokyo

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