つぶやき(2010.4.1-5.7) - Blog (Before- & Afterimages)

つぶやき(2010.4.1-5.7)

連休明けまで。
ゲオルゲのもっとも純粋な、もっとも完璧な詩篇が避難所を与えたところの、その世代は死すべくあらかじめ定められていた。(ベンヤミン) べンヤミンの偶像破壊性。表現なきもの

わが領土 ゲオルゲの秘密語! 昨日だったか、読売で佐藤卓己さんの新聞書評の公共性をめぐるコラム。原則として、書評は読者に向けてばかりでなく、著者へのエールとして書いてきた。書評者は「カスタマー」ではない。 "in der Frühphase der Beziehung zwischen ... Siegfried Kracauer und ... Theodor W. Adorno, durchaus auch erotische Züge hatte" !!! Theodor W. Adorno, Siegfried Kracauer - Theodor W. Adorno / Siegfried Kracauer: Briefwechsel http://shar.es/m22pL 『XX- :タイプライターの特殊記号としてのナチSSルーン文字』http://bit.ly/a9wkhC ナチス親衛隊のタイポグラフィー研究。ブックデザインの実験もなされている。 SS研究のシリーズは「オレンジファイル」と呼ばれる。資料の断片的集積で表わされる暴力。整理される以前のアーカイヴに宿る野生。それに対して、同様のフォルダー形式であっても、弱い結合の「弱さ」を体現したfold。決定的な違いを感じた。 百年漂流した投瓶通信。 本はある意味で古びない。けれど人は歳を取る。かつて魅せられた書き手の無残さよ。 同時通訳という言葉はあっても、実際にはリアルタイム通訳(翻訳)は決してありえない。遅延がある。同期しない。 むしろ、非同時的なものの同時性。異時性の共存。クーブラーもそう。 突然変異って生命のドリフトでしょう。 タイムライン上を後ろ向きに吹き飛ばされてゆく。 リヒターとポルケと「幽霊」。ポルケはともかく、リヒターについてはまったくそうだろうと思う。幽霊的なキャラクター、キャラクターの幽霊としてのRAF。 タイムラインに蹴躓いて前のめりになり、つま先立ちで飛び跳ねてゆく。 タイムラインを斜めに横断したら、また吹き飛ばされてしまう To somewhere safer where the feeling stays 予定していた用事がなくなった、宙吊りの時間が好きだ。時間の空き地。 marginaliaがmarginaliaであるための条件とは? 百年前のつぶやきを今受け取る。 消去や散逸を防ぎ、残す手段さえあれば、すべて忘れ去られるとは思わない。異なる言語でさえ、読まれる可能性はあるのだから。 吃驚。「新しい「風景」の誕生ーセカイ系物語と情念定形」などという論文があったのか。今まで気づきませんでした。すみません。いろいろ大変そうだけど、頑張ってほしい。 数年前まで外国の図書館に行って苦労しなければ閲覧できなかった資料が今は全文PDFなどで入手できるという話題。その場合、出典表記の仕方も変わるだろう。ただ、これは当然ながら著作権の問題がないから。個人的な文書については権利関係の壁が幾重にもある。 1989 年にひょんなことからエルサレム(ヘブライ大学)のアインシュタイン・アーカイヴに連れていってもらい、1ヶ月弱の調査に加わったことが、今にいたるきっ かけのように思う。「歴史」や「文献」という言葉は、自分の場合、アーカイヴと切り離せない。ただの抽象的思弁の対象ではない。 といって、文献実証主義べったりの「歴史」にも抵抗はある。ギンズブルグの聡明なバランス感覚。けれど、ベンヤミンがBnFに棲みついたことを抜きにして、彼の「歴史哲学」を語ることはできないだろう。 権力には秘密がある。あるいは、秘密が権力を生む。 図像警察 森のなかにいるせいか、覗くと異世界のような気がする。淋しさ半分。こちらは雨です。 寒いです。ヒーター付けてました。 つぶやきってオドラデクみたいだ。「誰の害になるわけでもなさそうだが、 しかし、自分が死んだあともあいつが生きていると思うと、 胸をしめつけられるここちがする。 」 父の気がかり ナルシスは水面という極薄の深みに溺れる。 フリーで優れたノンフィクションを書いている作家さんたちを見ると、残すに値する仕事を制度や組織によって資金的に守られた人文系の大学人が果たしているかどうかは反省すべきところも多いのではないか。 某会議で「国際化」という言葉が連呼されるのを聞いて、既視感に襲われた。 メルツ建築や洞窟住居では家が同時に自分自身の墓場になってしまう。即身成仏。マラパルテの「牢獄としての家」。 マラパルテ「今、私はとある島に暮らし、厳しく、メランコリックで苛酷な家に住んでいる。それを私はたった独りで建てた。海を見下ろす崖の上で孤独に。幽霊としての、牢獄の秘かなイメージとしての家。私のノスタルジーのイメージ。」 鳥のように牢獄を肉体の内部に孕む。あるいは、肉体の血管のように洞窟を岩壁にうがって住居にする。家=大地=冥界。クトーン的なもの。 鳥のように卵としての牢獄を。 パサージュとは都市の貝殻、記憶の洞窟。 マ ラパルテ「手を大きくまわして、マトロマニアの絶壁や、ファラリオニの大きな三つの岩礁や、ソレントの半島や、セイレーンの島々や、アマルフィの青くかす む岸辺や、パエストゥムの海岸の、はるかな金色の微光をさして言った。「僕がこの風景を設計しました。」」──「わが領土」(クラヴェル)。 ティエポロの描くプルチネッラ。仮面の都市、ヴェネツィア。仮面の都市、ポチョムキン都市、ウィーン。 無数に増殖する分身、オリジナルのない相似の系列としてのプルチネッラ。 プルチネッラはニョッキの擬人化とも言われ、ニョッキを食べさせられたプルチネッラ(男性)が子供のプルチネッラを産むという驚くべき絵がある。 http://twitpic.com/1jiqed ティエポロ(父)の描くプルチネッラ。増殖し集団化するところが特徴的。 http://twitpic.com/1jir4t 壁のなかを何者かが走り回っている。 夜は冷えるのでヒーターをするのですが、そうすると蟲が蠢きます。すでに三匹が元気に歩いたり飛び回っており.... 観察していると、この蟲は書物やディスプレイの縁、コードなど、特定の稜線や回路をぐるぐる回っているようです。 植物の茎を伝って汁を吸う習性によるものだろうか。堂々めぐりを繰り返す様が不憫で、まとめてつかまえ、屋外に放してやりました。 神は例外に宿る。 「晩年のスタイル」にはまだ早いけれど、外的要因に追われるのではない、「成熟」の時間をもつことについて。 「成熟の年齢」というフレーズからの連想でミシェル・レリスに思い及び、自伝的な『ゲームの規則』が47歳から書き始められていたことを知る。ベンヤミンの享年は48歳。 完熟から成熟、成熟から半熟へ進化する? 署名入り原稿は時間と情報と仕掛けの凝縮された濃厚な味、ブログはその上澄み、つぶやきは揮発性、どんどん揮発して非人称化すればいい。 そうか、「革命的半ズボン主義宣言」とは、「サンキュロット」をさらに転倒させた「革命」宣言だったのか。恐るべし1980年代の橋本治。

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田中 純
東京大学大学院総合文化研究科・教授
TANAKA Jun, Ph.D.
Professor
The University of Tokyo

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